■6月11日(水)&16日(月)Studio SARAでリハーサル

  この2日間は、佐藤の自宅スタジオ「Studio SARA 」でのリハ(残念ながら写真はありません)。本人がほとんど徹夜で書いた譜面と、ライブ用にアレンジした各曲ごとに打ち込んだ仮のリズム・シーケンスをガイドに、微妙なコード・ヴォイシングのアイディアや、キメのフレーズ、プレイの雰囲気などを煮詰めていく、中身の濃〜い作業だ。

  仮のリズムといっても4小節単位のループとかではなく、曲の起承転結に合わせてブレイクやリタルダンドなど細かいニュアンスも、 佐藤はちゃんと打ち込んでいる(だから徹夜になっちゃうのね、きっと)。とはいえ、相手はコンピューター。 その日その時のメンバーのノリを察知して、それに合わせるなどという気の利いたことはやってくれるはずもなく、こんなエピソードが生まれてくる。

  たとえば、1小節間リズムがブレイクして音がなくなり、そこに鳥山さんがギターのちょっとしたフレーズを挟み込む、 なんていう箇所では、鳥山さんが自然と心地よくリット気味に演奏したとしても、コンピューターはお構いなしにサッサと次の小節に進んでしまう。 そこで鳥山さんの方がコンピューターのノリに神経を集中させて、便宜上合わせなければならなくなったりするわけだ。 でも、そんな不便なシチュエーションさえ、ゲーム感覚で楽しむ余裕があるところが、今回のメンバーのみなさんのスゴいところ。 「よーし、次は合わせるぞ!」と言う鳥山さんに、渡嘉敷さんが「受験、受験!」と、なんだか楽しそうに声をかけているのが面白かった。

  佐藤は佐藤で、リハ中にある曲のある数小節を削ろうと決めたにもかかわらず、もう一度その曲を頭から通す前にリズム・シーケンスのその箇所を削除するのを忘れて、 「話聞いてろよ、おまえ」などとコンピューターに向かって溜息まじりにボヤいたりしている。

  まぁ、そんなこんながありながらも、佐藤はリハの演奏を逐一ハードディスク・レコーディング。そして、ときどきプレイバックを聴きながら、メンバーとともに客観的に楽曲の流れについて打ちあわせをしていく。 どの曲も3回目には完璧な輪郭が見えてくる。その様は、思わずニヤニヤしてしまうほど素晴らしく面白い。 とにかく、音が鳴り出すと一気にプレイに集中するメンバーの真剣な眼差しは、「さすがプロ」とうなりたくなるものなのだ。 この2日間の模様は、6/11付け、6/16付けの「DIARY」で本人がならではの視点で語っていますので、どうぞそちらもお楽しみください。

BACK NEXT
サイト内の全ての記事、画像、音源を無断転載または二次利用することを禁止します。
Copyright©2003-2004 SARA MUSIC All Rights Reserved.